LGBTが家を購入するとき知っておくべきこと

住まい

近年では日本でも「所有しない」という考え方が増えてきましたが、一般的にはまだまだマイホーム所有を希望している人も多くいます。

LGBT当事者の場合、当事者以外の人ほどマイホームの所有にこだわりがないようですが、もちろん同性パートナーとの住まいとして購入を希望されている人もいます。

当事者がマイホーム購入をするにおいてどのようなことが問題となるのでしょうか。

資金の負担と所有権

マイホームを購入する場合、全額キャッシュで購入・・・という方はそれほど多くはないと思います。

通常は、頭金と諸費用を自己資金としていれ、残りのお金については住宅ローンを借りますよね。

二人で協力して住宅ローンを組めない

例えば一般の夫婦の場合、夫婦の収入を合わせて住宅ローンを借り入れる「収入合算」というものや、夫婦それぞれで同じ物件に対し別の借入を起こす「ペアローン」などを利用したりします。

いずれの場合も、お互いが連帯保証人になることが求められますが、同性パートナーの場合はこれらのものを利用することができず、どちらか一人が単独で住宅ローンを借り入れることになります。

所有権登記も二人にするのは難しい

不動産を購入すると、その所有権などを登記することになります。

この登記も、資金を出した割合に応じて行うのが適切です。
例えば、資金を二人で半分ずつ負担しているのに、一方だけが単独で登記をした場合などは、贈与という別の問題が出てきたりするわけです。

夫婦なら実態にあわせて登記をすればよいだけですが、同性パートナーの場合をみると、法律上関係のない人の持ち分がついた物件に対し、金融機関は住宅ローンを貸してくれることはまずありません。

実態として二人で資金を負担してるのであれば、そのお金はどう考えればよいのか?難しい問題です。

別れた場合にはどうする?

これから二人で家を買おう、といっているところで別れた場合の話を考えるのは、どうかとも思いますが、

人が付き合う先に別れがあるかもしれないのは誰しもが可能性としてはあることで、大きなお金が動く家の購入であればなおさら考えておくことが必要かもしれません。

所有者として登記されている側は、そのまま家を所有、ローンの支払いを続ければよいわけですが、登記もせずお金の負担だけしていた側からすれば、お金を払っただけで手元には何も残らないわけですから、それを承知しておかなければならないでしょう。

できれば、あらかじめそのような場合に、精算する手段やルールを決めておき書面にて取り交わしておくほうが良いでしょう。

別れるつもりもないのに縁起でもない、と言われるかもしれませんが、
何事も可能性としていざという時に困らないためにもと考えるべきでしょう。

所有者が亡くなったら?

夫婦の場合であれば、所有者が死亡した場合、相続が発生し残された配偶者や子供などが引き継ぐ(相続)することになり、亡くなった人の持ち分(所有権)は移転することになります。

しかし、同性パートナーについては、相続人ではないため何もしなければ財産を継承することはできません。

亡くなったパートナーに両親や兄弟がいるのであれば、そちらに相続権はあるのです。

同性パートナーにマイホームを残したいのであれば、遺言書を作成しておくことが必要です。

遺言書には作成方法がいくつかあり、注意すべき点もありますので専門家に相談をすることをおすすめします。

また、遺言書を作成することでパートナーにマイホームを残すことができますが、他に資産がない場合などは相続人の遺留分という問題なども出てくることも考えられます。

なるべくであれば、事前に家族にも了解を取っておくように心がけておくべきでしょう。

まとめ

今回述べたことはあくまでも概略です。

実際に購入計画を立てるとなれば、パートナーと取り交わすべき約束や、遺言書の作成など専門家に相談しなければ難しいでしょう。

具体的になっている方はもちろんのこと、検討段階の方でもまずは仕組みなどを知ることから始めましょう。

 

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